りゅうの さいごの ものがたり8

「ぼくは かたいからですか?」

 せいねんは よろいを ぬぎました。

「そうじゃない」

「ぼくは すじばっているからですか?」

 せいねんは やりを すてました。

「そうじゃない」

「ぼくは まずいからですか?」

「そうじゃない」

 りゅうは おおきく くびをふって なきました。

「わがこを たべる おやが いるものか」

 りゅうは そういって むねの うろこを

 するどい つめで きりさくと

 どくどくと みゃくうつ しんぞうを

 せいねんに さしだしました。

「さあ。もっておゆき」

 ははおやは いいました。

「そして しあわせに なるんだよ」

 そうして せいねんは りゅうのしんぞうを もちかえり

 くすりをつくって おひめさまに のませました。

 みるみるうちに おひめさまの びょうきは よくなって

 おうさまは おおよろこびで いいました。

「おまえは ひめの おんじんだ。

 ぜひとも むすめを きさきにして

 つぎの おうに なってくれ!」

 そして せいねんは

 すえながく しあわせに くらしました。

さいごのりゅうのものがたり9

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