りゅうの さいごの ものがたり7

「にんげんめ こりずに またきたか」

 りゅうは かみなりのような こえで

 そう さけびました。

「そのからだを つので くしざしに してやろうか」

 りゅうは いいました。

「それとも ほのおで まるやきに してやろうか」

 りゅうは いいました。

「いやいや そのからだを」

「まるのみにしてください」

 りゅうの ことばを さえぎって

 せいねんは そういうと

  かぶとを ぬいで

 りゅうに かおを みせました。

 りゅうは びっくりして

 おもわず きのう たべた きしを

 はきだして しまうところでした。

「やくそくを はたしに きました」

 せいねんは いいました。

「ぼくは びょうきになった おひめさまの ために

 あなたの しんぞうを とってこいと

 おうさまに いわれて やってきました」

 せいねんは いいました。

「でも そんなことは とてもできません。だから」

 せいねんは いいました。

「ぼくを たべてください。おかあさん」

 おとこのこは そういいました。

「そんなこと できるわけが ないだろう!」

 りゅうは さけびました。

さいごのりゅうのものがたり8

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