りゅうの さいごの ものがたり4

 そうして やがて おとこのこは りっぱな

 せいねんへと せいちょうし

 あるひ りゅうに いいました。

「やくそくの ひが きました」

 りゅうは びっくりして いいました。

「やくそく だって?」

「ぼくは たぶん これいじょう、

 おおきく なれないでしょう。

 だから ぼくを たべてください」

 そんなことは とてもできませんでした。

 いっしょに くらすうちに りゅうは すっかり

 おとこのこの ことが すきに なってしまっていたのです。

「もう おまえには うんざりだ」

 りゅうは おこった こえで いいました。

「どれだけ たっても やせっぽちで

 すじばって ちっとも おいしそうにならない。

 おまえなんか たべられるものか。

 このやまから でていってしまえ!」

 それでも おとこのこは なきながら

 ぼくを たべてくださいと いいました。

 でも なんどいっても りゅうは ききいれず

 おとこのこは なきながら やまを おりました。

さいごのりゅうのものがたり5

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