りゅうの さいごの ものがたり6

 そんな あるひの ことです。

 おしろの おひめさまが びょうきに

 かかって たおれてしまいました。

 おうさまは たくさんの いしゃを よびましたが

 どんな いしゃも そうりょも まほうつかいも

 おひめさまの びょうきを なおすことは

 できませんでした。

 そこで せいねんに こえが かかりました。

 たくさんの ものがたりを しっている せいねんなら

 びょうきをなおす ほうほうも しっているだろう。

 おうさまは なんども なんども

 せいねんに そうたずねました。

 せいねんは とうとう こんまけして

 おうさまに おしえてしまいました。

「りゅうの しんぞうを たべさせれば

 どんなびょうきも なおるでしょう」

 おうさまは さっそく りゅうのやまに

 ぐんたいを おくりました。

 けれども かえってきたのは

 よろいと けんの ざんがいばかり。

 おうは くにいちばんの きしとなった せいねんに

 りゅうの しんぞうを もちかえってこいと

 めいじました。

 せいねんは いやがりましたが

 おうさまの めいれいは ことわれませんでした。

 せいねんは やりと よろいを つけて

 たったひとりで りゅうのやまへと

 むかいました。

さいごのりゅうのものがたり7

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